第十回「樹(いつき)ガーデン」

 

「鎌倉で出会うこころの癒し」

記念すべき第10回目は

「樹(いつき)ガーデン」です。

前回から随分時間が経ってしまい、

掲載が遅くなって申し訳ありませんでした。

その間世の中もかなり様変わりしてしまいましたね。

今年の春の鎌倉は例年とは打って変わって

閑散とした街になってしまいました。

お店をお休みしたまま、

閉店を余儀なくされてしまった所も沢山あります。

夏は鎌倉の花火も中止。

「海の家」が出ていない由比ヶ浜の海は

静かすぎて悲しい色をしていました。

そんな夏が過ぎ、9月のシルバーウィーク!

なんと賑わいが戻って来ました。

マスク、消毒、手洗い…と、

いろいろ気を使うことはありますが、

それでも「マスクの中は笑顔だな!」

と思われる人が多く見られて、

久しぶりにウキウキした気分になりました。

 

 

こんな突然起こった不自由な日常から

癒しを求めて鎌倉に来られる方々に、

どこを紹介しようか…と考え、

今回は「樹ガーデン」に決めました。

場所は鎌倉駅西口を出て、

市役所の前の道をひたすらまっすぐ歩いて行くと、

左手にひっそりと入り口があり、

そこから階段でかなり登った所にあります。

 

 

ここはカフェなのですが、

完全に森の中です。

一つ一つのテーブルが山の斜面に

点在しているオープンカフェで、

このご時世、ご心配の「密」も防げます。

自然に身を委ねられる非日常空間で

美味しいランチやお茶ができる…という、

まさに癒しの場所です。

森の美味しい空気を吸いながら過ごせる、

これからのシーズンにぴったりのカフェですね。

 

「密」を避ける…という言葉が、

この頃は当たり前になりましたが、

当初は「なんと悲しいことか…」と思いました。

でも人はもともと「パーソナルスペース」

というものがあり、

それなりに他人に立ち入ってもらいたくない、

他人に近付かれると不快に感じる

空間・距離というのがあるんですよね。

パーソナルエリア、対人距離とも呼ばれます。

このパーソナルスペースは、

年齢男女差

相手との関係性によって変わってきます。

全くの他人に対しては

おのずと遠くなってしまいますし、

親しい間柄では近くても嫌な気はしません。

かと言って相手を全く知らないことで意識せず

混雑した中にいられることもありますし、

意識してしまう間柄だと、

近過ぎると気になったりします。

更に他者との距離をどう感じるかは、

個人差もあります。

もともと人混みが嫌な人もいますし、

反対に人混みなどもろともせず混雑した場所に

平気で行く人もいます。

大人数で会うのが辛いと思う人もいますし、

沢山の人とお喋りしたい人もいます。

「密」をどう捉えるかは、

もちろん「この範囲の場所に何人以上いると

密である」というような

社会的定義はあるかもしれませんが、

“個人的な感覚”も影響するため、

判断も難しくなりそうですね。

巷ではコロナを巡って

いろんな意見が飛び交っています。

「早く皆と近づきたい」と思う人もいますし、

「なるべく人を避けたい」と思う人もいます。

それは個人によって感じ方や考え方が違うからで、

どちらが正しいとか間違っているとかの

判断は難しいような気がします。

皆、それぞれが生きてきた環境、

出会って来た人々、

生まれ持った性格等々から紡ぎ出された

大切な「感覚」「価値観」の違いなんでしょうね。

一つの困難の中に身を置くと、

その個人の感覚の違いがより

鮮明に表に出てしまいますね。

他者が自分と違う考え方や行動をしていると

攻撃してしまうこともあるかもしれません。

でも、人はそれぞれ違うんです。

何とか、お互いに尊重しながら、

お互いの考えを出し合って

折り合いながら生きることは出来ないかなぁ…

と模索する今日この頃です。

 

「樹ガーデン」は同じ森の中でも、

各テーブルがそれぞれ孤立していて、

とても落ち着きます。

一緒の場所にいながらも、

それぞれが尊重された居場所に

なっている様な気がします。

そんな風に同じコミュニティの中でも

それぞれが大切にされ、

気持ちよくお互いの価値観が

承認されるような社会

優しく折り合える道を探っていく社会…

そんな理想の社会を夢見ながら

「樹ガーデン」でまったりとお茶をした一日でした。