「鎌倉で出会うこころの癒し」第6回目は江ノ電です。
江ノ電はご存知の方も多いと思いますが、
鎌倉駅から藤沢駅の間、
全部で15個の駅を走る緑色(ブルーもあります)の可愛い電車です。
途中沢山の名所を通るので、
もし利用されるなら「のりおりくん」を使って、
いろんな駅に途中下車をして楽しむのをオススメします。
大仏さまやKEY MEMORYのある「長谷駅」はもちろん、
静かな雰囲気でドラマにも使われる「極楽寺駅」、
天気の良い日には江ノ島と富士山が同時に見える公園のある「稲村ガ崎駅」、
スラムダンクで世界的に有名になった「鎌倉高校前駅」、
そして「江ノ島駅」…
その他にも見どころ満載の駅がずらりと並びます。
この電車は目的地に運んでくれる乗り物としての機能だけでなく、
車窓に広がる海や、
民家すれすれを走るなど、
江ノ電に乗ることで「非日常」を味わえたり、
電車から響く長閑かな音を聞きながらただ乗るだけで癒される不思議な電車です。
さて、私は仕事で小さいお子さんと接する機会が多いのですが、
子供は本当に電車が好きですね。
いつも窓から電車が見えると「でんしゃ!でんしゃ!」と
たどたどしい言葉で…でも目をキラキラさせて指を差します。
そんな子供に対し、
横にいるパパやママは一緒に
「そうだね〜〜、電車だね〜〜、電車早いね、カッコいいね〜〜」
と相槌を打ちます。
一見なんでもない親子の姿なのですが、
実はこれ、「共同注意」と言ってとっても大切なやり取りなのです。
「共同注意」とは
「他者の注意の所在を理解しその対象に対する他者の態度を共有することや、自分の注意の所在を他者に理解させその対象に対する自分の態度を他者に共有してもらう行動」です。
これは子供が発達過程で獲得する大切な能力です。
そしてその発達に欠かせない行動に対して親が適切に応えていくことが、
将来の子供の言葉の獲得と情緒にとても大きな影響を与えます。
子供は「でんしゃ!」という単語を言っているだけ
(もしくは指差しをするだけ)に見えますが、
きっとその単語(指差し)の中に
「ねぇ、見て見て、お父さん、お母さん!ぼくの好きな電車が見えるよ!カッコいいなぁ〜〜!早いな〜〜!あー、乗りたいなぁ〜〜」
という言葉にできない呼びかけと思いがいっぱい詰まっているのです。
それを側で見ているパパやママが子供の気持ちを汲み取り、
「言葉」として明確化し、
共有しながら子供にフィードバックしているわけです。
こんなやり取りを通して子供は「自分の気持ち」がはっきりわかり、
また一番大切な他者に自分の気持ちをわかってもらえた安心感や喜びを得ます。
こうして子供は言語のみならず、
未来のコミュニケーションの力や他人への信頼感を獲得していくのです。
ここまでは子供の発達のお話…でしたが、
実はこれを大人になった皆さんの人間関係にも応用することができます。
例えばあなたが友達に
「昨日、上司からこんな事言われちゃってさぁ。どうすればいいかなぁと思ってるんだよね〜」
と相談されたとします。
「どうすればいいのか…」と相談された訳ですから、
あなたは友達のためになんとか良いアドバイスをしようと考えます。
そして「上司にこう言ってみたらどうかな?」とかアドバイスをするのですが、あまり良い返事がない…
こんな時は「相談した友達の気持ちを想像」し、
それを「言葉にして返してあげる」と良いかもしれません。
混乱しているときに自分の気持ちを再確認すること、
そしてそれを誰かが共有してくれることが一番の癒しと励ましになります。
そしてあなたのくれた安心感と勇気を持って、
友達は「どうしたらよいのか」という未来を自らの手で決定できるようになるのです。
悩める友達を鎌倉旅行に誘って、
ガタゴト江ノ電に揺られながら話を聞き、
「それは辛かったね…よく頑張ったよね」と
友達を癒す魔法の言葉をかけてあげてくださいね。
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